タイニーハウス展示会 関連シンポジウム「タイニーハウスの可能性」を聴講した感想(後編)[2019年2月]
こんにちは。ふわりです♪
2019年2月、国士舘大学世田谷キャンパスでシャーシ付きのタイニーハウス「ホワイトファンタジー」の体験展示会と関連シンポジウム聴講をしてきました。
前編(タイニーハウス ホワイトファンタジー 体験展示会)に引き続き、後編(関連シンポジウム聴講)では興味深かったコメントと感想、また余談ですが「私がタイニーハウスで暮らしたいと思った理由」も書きます。
目次
関連シンポジウムを聴講しようと思った理由
タイニーハウスと言えば相馬さん!!TVや本にも度々登場されています。現在、自宅用タイニーハウス「もぐら号」をセルフビルドされていて尊敬っ☆ (詳しくはTinyhouse travelers.をご参照ください)。その相馬さんがパネリストとして登壇されるとのことで興味津々!「そうそうたるメンバーのお話しを私が聞いても大丈夫?場違いじゃない?」なんて心配よりも、大人になってから芽生えた「知的好奇心」が勝り、聴講することにしました。タイニーハウスについては日々情報収集しておりますから、少しは話しもわかるかなと(^^)
【2023年追記】相馬さんは今「もぐら号」に住まれています。また、新しく作られた「カワウソ号」でタイニーハウスホテル業をスタートされました☆ 素晴らしい!!
関連シンポジウム聴講
講演会概要
- 日時:2019年2月12日(火) 15時30分~17時30分
- 場所:国士舘大学世田谷キャンパス メイプルセンチュリーホール 4階中教室
- パネリスト:5名
井筒 節:東京大学教養教育高度化機構 国際連携部門 特任准教授
門脇 耕三:建築家 明治大学専任講師
相馬 由季:元 YADOKARI Tiny House Producer(@TinyhouseT)
松本 和巳:映画監督 一般社団法人シンプルライフ協会 代表理事
南 泰裕:建築家 国士舘大学理工学部教授 -
シンポジウム
- 挨拶、パネリスト紹介
-
第一部:ショートレクチャー(15分 × 3名)
- 松本和巳「なぜ今、シンプルライフとタイニーハウスなのか?」
- 南泰裕「最小限住居の系譜とその特性」
- 井筒節「SDGs が目指す『誰一人取り残さない』生活」
- 第二部:パネリスト全員によるトークセッション
タイニーハウスには、様々な可能性が秘められています。セカンドハウスや離れとしての利用にとどまらず、例えば災害時における緊急用の移住スペース提供、医療や商業利用、あるいは移動型ホテルとしての利用もあり得ます。
本シンポジウムでは、このプロジェクトの経緯を紹介いただきながら、関係者・識者の皆さんと、タイニーハウスの可能性から導き出せる SDGs の取り組みを探り、周辺テーマおよび今後の可能性について、ワールドワイドに幅広く議論します。
出典:講演会チラシより
普段、見ることも接することもない多種多様なパネリストが勢揃い!!約2時間、タイニーハウスプロジェクトの経緯紹介、SDGs の概要、パネラー全員によるタイニーハウスの今後の可能性についてetc…トークセッションが行われました。
興味深かったコメント
タイニーハウス
- タイニーハウスは精神的にも金銭的にも楽に生きるためのツールの1つになるのでは?
「ミニマリスト → 生きるのが楽」を体感すると、人と比べて疲弊することの無意味さに気づく - タイニーハウスが住まいの選択肢の1つとしてあれば良い。
「家を建てられるのはお金持ち」という図式ではなく、「少しのお金で小さな家を建てて楽しく暮らせる」という住まい方が認知されることで、貧富の差を感じずに違う価値観のもと、それぞれが幸せに暮らせる社会になれば - タイニーハウスビレッジ構想。全てを自分でやろうとすると苦しくなる。共用出来る部分は共用すれば良い
- タイニーハウスはリスクが低くフレキシビリティ
住むのを止めたくなったら、建物とシャーシをばらして中古でシャーシだけ売ることも出来る - タイニーハウスはカスタマイズOK。子ども部屋が欲しくなったら庭にタイニーハウスを建てて対応することも可能。身の回りの物を自分でメンテナンスしより快適に暮らすのは、本来の家のつくりの在り方
- タイニーハウスはMinimum Rich(小さくてもリッチ)だ
- 最小限のタイニーハウスを建てる場合、約600万円でたくさんのワクワクが楽しめる
- タイニーハウスで生き方の可能性が広がる
ex)駅から離れた住宅地にタイニーハウスを建てて小商いをし、ネットで宣伝し働けるかもしれない
ex)タイニーハウスをホテル仕様にし、B&Bにして元を取る。回収する
ex)自分でタイニーハウスを作れたら「他にもいろいろ作れそう!」と可能性が広がったり、自信や活力となるかもしれない - タイニーハウスは「きっかけ」であり、必ず幸せになれるモノではない
- 10平米以下の建物についての法律関係はまだ出来ておらず、今は建築確認が不要。ホテルでも同じ。なので今は作ったもん勝ち(笑)
時代
今の時代のキーワードは「自分ごと」。自分が参加し、自分ごとを作り楽しむ文化に変わってきている
生き方
働き方改革の前に生き方改革。無理しない、サスティナブル(持続可能な生き方)、新しい可能性を考える
障がい
障がいとは!? 社会に問題がありその問題を解決すれば障がいとはならない場合がある
例えば視力が良くない場合、それも1つの障がいかもしれない。でも眼鏡をかければそれは障がいにならない。
車椅子に乗っている方の場合、目の前に段差のある階段は昇れないため障がいとなるが、階段に車椅子で上れる角度のスロープが設置されていればそれは障がいとならないのでは?etc…
このような視点で考えたことがなく衝撃だった。社会全体を考えたことがなかった。もっと俯瞰して物事を見るようにしたい。
感想
最初に、関係者の皆さま、お疲れ様でした。このような貴重な聴講の機会をいただきありがとうございました。
1つ驚いたのが、パネリスト全員によるトークセッションにて、
面白い!住んでみたい!までは思っても、本当に住居としてタイニーハウスに住みたい人はいるのだろうか?
と、半信半疑な様子で問いかけられたこと。
は~い!ここにいます~(^^)/
と、速攻で挙手したいくらい私は住む気満々なので、「あれれ!? 実際に動いている方から見てもまだそんな感じなんだ。。」と、ちょっと驚きました。肩透かしを食らったような。。相馬さんは別の仕事があり抜けられた後のことでしたので、もし相馬さんがこの場におられたらなんと答えていたか気になりますが、残りのパネリスト3名は「う~ん。どうなんだろう。。」と、口ごもっていたのを見て、現段階では「タイニーハウスの未来は明るい!」とまでは言えない手探り状態のトライ中なのだなと、わかりました。
世の中に新しい文化が誕生し定着していくまでの過程って、いつもこういう感じなのでしょうか?
生き方の選択肢が増えたらいいな、みんなが楽しく笑って暮らせる時代に少しずつ変わっていけばいいな。
と、心から思います。家を借りるのと同じ感覚で気楽に家を建てて住むことが出来る。そんな世の中になるよう、住まい方の選択肢の1つに定着するよう、関係者の皆さま、ぜひがんばってください!陰ながら応援していますo(^^)o
あともう1つ、研究室の学生さんたちを見て、
新しい暮らし方や生き方が世の中に出始める瞬間に立ち会ち会えたり、立ち上げに関われて楽しそうだな~♪
こういう経験をしている彼らは柔軟性のあるオトナになりそうだな~☆
と、思いました。閉塞感のある時代かもしれないけど、どうか彼らに無数の楽しい選択肢と明るい未来が待っていますように☆
余談)私がタイニーハウスで暮らしたいと思った理由
ある日、長年勤めていた会社を辞めることになり、「働き方、暮らし方、生き方」を考え、新しい道を探さなければならなくなりました。
安定って何だったの?この年から働き口はあるの?いったいこれから私はどうやって生きて行けば良いの?
と、毎日悩み考え、答えを探し続けました。
そんな時に出会ったのが、「ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 佐々木 典士 (著)」でした。それまでもたくさんの片づけ本や断捨離本、シンプルライフ関連の本を読んでいたのですが、こちらはもうまったくの別物という感じで、目から鱗が落ちました。
価値観は人それぞれ。当たり前だと思いこんでいた他人が作った価値観に振り回されたり、人と比べることの無意味さに気づきました。価値観も現状もこれからの生き方も自分の好きなように変えていい。長年培ってきた考え方やライフスタイルも、思い込みを止めれば今からでも変えられる。自分の人生は自分で切り開き、自分が思うように変えていけばいいんだ!と、心から思えるようになった時、得体の知れない呪縛から解き放たれた感が半端じゃなかったです(^^)
そうして「どんな風に暮らしたいのか?どんな風に働きたいのか?どんな風に生きたいのか?何をしているときが楽しくて幸せなのか?」を心に尋ね、心のおもむくままに少しずつ生活を変えて暮らし始めたタイミングでタイニーハウスに出会い、
これが解だ!!
と、直感でピン!と、来ました。
タイニーハウスで暮らせば身の丈に合った暮らしが出来る!こんな小さなお家に夢がいっぱい詰まってる!大好きな木で出来た小さなお家でワクワクしながら、毎日大好きな緑やお花に囲まれて、心地よく幸せに暮らして行けそうだぞ(^^)
と、わかったのです♪ 私にはとてもしっくり来た解でした。この解が見つかったのは幸運かもしれません☆
もしずっと何も変わらず今まで通りに暮らしていたら、「タイニーハウス」というワードが目に入ることはなかったかもしれません。また、もし目に入ったとしても、
へぇ~!そんな小さい家に住みたい人がいるんだ。物好きな人がいるんだなぁ。
と、思って終わりだったかもしれません。タイニーハウスにはたくさんの夢とワクワクが詰まっていることも知らずに!
ですので、先程書いた「面白い!住んでみたい!までは思っても、本当に住居としてタイニーハウスに住みたい人はいるのだろうか?」というパネリストの問いの答えの続きにもなるのですが、あくまでも自分の経緯からだけで想像してみると、「可愛くて憧れはあるけど、まだそこまではいいかな。。」と思う人は、現状に不満がなく幸せなんじゃないかな。現状を変えたい人でないとそれこそ「自分ごと」として捉えにくかったり、リアルにイメージが出来なかったり、関係ない世界の出来事、他人事としか思えないんじゃないかな?と。
あとは、性格や価値観が大きいですかね。創意工夫するのが好きな人、ものづくりや何かを育てることに喜びを感じる人、楽しそうなことに興味がわく人、自分の人生と多数決は関係がないと思っている人、自分を持っている人とか(^^) そしてやっぱり多少達観していないと、タイニーハウスで暮らすのはハードルが高そうな気がします(^^;
さいごに
初めてシャーシ付きのタイニーハウス ホワイトファンタジー見学と関連シンポジウムの聴講をさせていただき、目で見て肌で感じ話を聞き、多くの刺激を受けました。タイニーハウス大好き人間としては、タイニーハウスという家の選択肢が増えてくれたらめちゃめちゃ嬉しいです。住んで楽しい、暮らしが心地よい、懐に優しく気持ちにも余裕ができて笑顔が増えそうな気がします(^^)
土地とタイニーハウスのセットで10年分の賃貸料くらいでいけたらいいな☆
では、また~(^^)/
※ 関係各位、何か不都合な点などございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」からご連絡くださいますようお願いいたします
関連リンク
- 国士舘大学 理工学部
- 一般社団法人シンプルライフ協会 > シンポジウムを終えて、内覧・相談・販売受注会を開催
- Tinyhouse travelers > ちいさな家が、世界を変える?タイニーハウス×SDGsシンポジウム
関連本
考え方を変えるきっかけになった1冊。
いろんな小屋が紹介されています♪
関連ワード
シンポジウムで出てきたワードです。「方丈庵」以外、初耳でした。
【2023年追記】2019年時点で私は初耳だった「SDGs」ですが、2023年の今、毎日どこからか聞こえてくるようになりましたね♪
- 20世紀建築の巨匠 ル・コルビュジエ「小さな家」
- 鴨長明「方丈庵」
参考)YADOKARI > 方丈記はミニマリスト文学。鴨長明が建てた800年前のモバイルハウスとは? - SDGs(持続可能な開発目標)
参考)外務省 > SDGsとは? - 立体最小限住宅/設計・池辺 陽
参考)住まいとインテリアプラン > 池辺陽の住宅 - ウィチタハウス
参考)(株)東海・ビルド > 旅日記アメリカ編~アナーバーでの日々~5 - 棟の家
タイニーハウス関連記事
- 小菅村「タイニーハウス」見学(2018年5月)前編・後編
- ヒアシンスハウス:タイニーハウス作りの参考にしたい点がたくさんあります(埼玉県さいたま市)
- タイニーハウスに関する記事一覧
更新履歴
- 2019年5月29:初投稿(旧ふわり写真ブログ)
- 2023年9月2日:ブログ移行とリライト、記事を前編・後編の2つに分けました
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